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■設計ラボ■床下換気口の開閉

設計デザインの山岸です。

最近では、基礎パッキン工法が一般的となり、新築住宅で「床下換気口」を基礎に設けるケースは少なくなってきました


基礎パッキン工法は床下の通気を均一に確保でき、換気口の開閉作業も不要なため、メンテナンス性に優れた工法として広く採用されています。

しかし、以前のお客様のお住まいでは、基礎に「床下換気口」を設けた住宅が一般的でした。

特に築年数が20年~30年以上のお住まいの場合、外周部に数カ所の換気口がついており、季節ごとに“開閉”することで床下環境を適切に保つ仕組みになっています。


それでは床下換気口の開閉は、なぜ必要なのでしょう?

床下は、外気温の影響を受けやすく、湿気が溜まりやすい場所です。

湿度が高くなると、以下のようなトラブルの原因になります。

・土台や大引きの腐朽
・シロアリ被害のリスク上昇
・カビの発生
・床鳴りや建材の劣化

そこで、春~秋は「換気口を開けて通気を確保する」、冬は「冷たい外気の侵入を防ぐために閉じておく」という作業が必要になります。

特に冬場は、冷気が床下に入ると床が冷たくなる、暖房効率が落ちるといった生活面の問題も起こります。

そのため、晩秋(11月頃)に換気口を閉じ、春(4月頃)に開けるという季節管理が大切なのです。


実は、この床下換気口の開閉は 「毎年忘れてしまいがちな作業」 の代表例です。

・換気口が目立たない位置にある
・作業自体が年2回だけなので記憶に残りにくい
・家族に引き継がれず、そのまま放置される
・高齢の方は外周の確認が難しい

といった理由から、「気がついたら数年閉めていなかった」「そもそも開け閉めするものだと知らなかった」というお声も少なくありません。

11月は、まさに「床下換気口を閉じる時期」です。

外周を一度ぐるっと回り、換気口のつまみやシャッターが閉じているか確認してみてください。


春になったら、必ず開けましょう!

意外と「閉めるのは覚えているけれど、開け忘れる」ケースもあります。

閉めっぱなしのまま春~夏を迎えると、床下に湿気がこもりやすくなり、カビやシロアリの温床になります。

・秋(11月頃):換気口を閉じる
・春(4月頃):換気口を開ける

この年2回のルーティンをぜひ習慣づけてください。

家を支える大切な床下環境を、今年もしっかり整えていきましょう。





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