■現場レポート■「黒いシミ」の正体
設計デザインの山岸です。
今回は、他社施工の外壁リフォーム後に発生したカビ問題です。
外壁の重ね張りリフォームをされたお客様からご相談いただいた事例をご紹介します。
「外壁を新しくしたあと、軒天に黒いシミのようなものが現れたんです」
「一度、塗装業者さんが塗り直してくれたけど、また出てきてしまって……」
とのことで、現地調査に伺いました。
現場を確認したところ、「シミ」のように見えたものは、換気フードのすぐ上部の軒天部分に集中していました。
そして、触ってみるとうっすら湿気を帯びた感触。詳細に確認した結果、その正体は「カビ」でした。
外壁材や軒天材の継ぎ目・通気層の構造に問題があると、湿気がこもり、特定の場所に集中することでカビが発生することがあります。
特に換気フード周辺は、排気による湿気や油分が外に出てくるため、対策が不十分だとカビが発生しやすいポイントです。
このケースでは、外壁を既存の壁に重ね張り(カバー工法)していたことに加え、
①外壁裏の通気ルートの配慮不足
②換気フードまわりの納まり
が主な原因と考えられました。
外壁の重ね張り工法自体は一般的ですが、通気の確保が不十分なまま施工すると、湿気が逃げ場を失い、内部結露やカビの原因になります。
さらに、不具合箇所の表面だけを塗装しても、根本の原因が改善されていなければ、再び同じ現象が発生してしまいます。
今回は、②換気フードまわりの納まりに注目しました。
外壁リフォーム業者は、新築当時に付いていた換気フードを再使用して付けられていました。
外壁が二重になった分、外壁が厚くなります。
同じ換気フードを再使用すれば、換気フードと配管に隙間ができるハズ。
普通に考えれば、配管を長い物に交換するなり、継ぎ足すことをしないといけません。
既存の換気フードが錆びていたので、交換を兼ねて外し、確認してみました。
やはり、、、
換気フードと配管に隙間がありました。
重ね張りした外壁裏内がカビだらけです(ヒドイ)
補修工事は、配管の交換・継ぎ足しを行い、新しい換気フードに交換して、工事完了しました。
こうした事例を通して私たちが感じるのは、「見えない部分こそ大切に」ということ。
見た目の美しさだけでなく、「長く快適に暮らせる家」を守るには、構造や空気の流れなど、目に見えない部分まで丁寧に施工・確認することが必要です。
梅雨の季節です。
住まいのカビでお困りの方は、ぜひご相談ください。
早めの確認と対処が大切です。
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